相続した実家が空き家になっているから、早く売りたい
そんなご相談を受けたとき、家屋を取り壊しても大丈夫ですか?と伺っています。
家族の長年の思い出がつまっている家を取り壊すのは忍びないのですが、家屋がそのまま残っていると売却価格が下がってしまうことがあります。
今回は空き家を解体して更地化するメリットについて、詳しく解説していきましょう。
家屋をそのままで売るか?解体して更地で売るか?
- 空き家となった家屋をそのままにして売るか?
- 取り壊してしまうか?
それぞれのメリット・デメリットを挙げてみましょう。
家屋を解体せず、そのまま売る
家屋をそのまま売ることのメリットとして、解体費用が発生しないという点が挙げられます。
一般的な木造二階建て住宅であっても、解体費用は100万円を超えます。
延床面積が大きかったり、堅固建物だったりするとさらに費用が増えることも。
売却価格が安い場合は、解体費用などで収支がマイナスになってしまう可能性もありますね。
また解体工事にかかる時間が不要になるというのもメリットですね。
反面デメリットとして、以下のようなことが挙げられます。
- 家財道具などの処分・片付け
- 場合によっては耐震工事やリフォーム工事
- 一般的に更地で売るよりも安くなる
建物が建っている土地は建付地と呼びますが、基本的に建付地は更地より価格が安くなります。
[st-mybox title=”計算式” fontawesome=”fa-calculator” color=”#74d0fd” bgcolor=”#e8f7ff” borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold”] 建付地の価格<更地の価格[/st-mybox]
したがって少しでも高く売りたいのなら、家屋をそのままにして売るのは避けたほうが良いでしょう。
特に昭和56年以前に建築されたいわゆる旧耐震基準の建物は、売買のときに敬遠されがちです。
相続した家屋は建築時期が古いものが多いですから、旧耐震基準であることを考慮しておいたほうが良いです。
反対に新築してから数年しか経っていない家屋であれば、そのまま売れる可能性が高いです。
取り壊して更地で売る
家屋を取り壊して更地化するメリットは、以下の通りです。
- 比較的高い価格で売れる
- 売れないときでも有効活用しやすい
前述の通り、通常は土地上の建物があることで市場価値が下がってしまいます。
したがって解体費用をかけて取り壊しても、それに見合うくらい高い価格で売れるケースがほとんどです。
また万が一売れなくても、更地にしてしまえば土地を有効活用するのも簡単ですね。
- 貸し駐車場
- 賃貸マンション・アパート
- 高齢者住宅
といった土地活用が考えられます。
一方デメリットとしては、
- 固定資産税が増える可能性
- 解体費用が高額になるリスク
が挙げられますね。
土地上に家屋が建っていると、その土地の固定資産税は大幅に軽減されています。
しかし解体して更地化してしまうと、その軽減措置がなくなってしまうのですね。
更地にしたら急に固定資産税が増えてショックを受ける人も多いです。
特に注意したいのが年末に更地化が完了してしまったケース。
更地の状態で年を越してしまうと、固定資産税の評価が変わって翌年の負担が増えてしまいます。
売買するときは更地化を前提に交渉を進め、契約締結後に更地にして引き渡すという手順を踏むのが普通です。
また既存の家屋が古い場合は、危険なアスベスト(石綿)が使用されている可能性もあります。
アスベストが使われている建物の解体費用は、非常に高くなります。
飛散防止対策や作業員の安全管理に多くのコストがかかるからですね。
解体業者との見積りでは、アスベストの有無についてきちんと確認しておきましょう。
>>解体工事の相場は坪単価でどれくらい?極端に安い見積りに注意!
まずは地場の不動産業者に見積りをとろう
空き家を売却したいと思ったら、まずは地元の不動産業者に見積りをとることをオススメします。
地元業者であればその地域の不動産市場に精通していますから、
- 更地にしてどのくらいの価格で売れるか?
- 取り壊し費用の相場はどれくらいか?
といったノウハウを持っていますね。
地元業者といっても色々です。
- 個人経営の小規模な業者
- そのエリアに特化した中規模業者
- 全国展開している財閥系業者の支店
それぞれに得意としている地域や土地種別があります。
したがって、できれば複数の業者に見積り依頼したほうが良いですね。
今はインターネットで一括査定依頼できるサービスがあるので、手軽にお願いしてみましょう。
空き家は解体して更地で売るのがオススメ
ここまで見てきたとおり、相続した空き家は基本的に解体して更地で売却することをオススメします。
思い入れのある古い家を失うのは惜しい……と悲しむ気持ちもありますが、相続人の未来を考えれば仕方ないのかもしれませんね。
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