誰も住まない家を相続したので取り壊したい!でも解体工事ってどこに依頼すればいいの?
とお悩みのあなたに、信頼できる解体業者の選び方について解説していきましょう。
悪徳な解体業者による契約トラブルが多いので、優良業者を選ぶには手間がかかります。
もし面倒なことをしている時間がないということなら、無料の一括見積りサービスを利用することをオススメします。
目次
解体しないまま放置しておくと行政による処分も
最近はニュースや新聞でも空き家の問題が取り上げられることが多くなりました。
これを受けて国では空家等対策の推進に関する特別措置法を制定して空き家対策に取り組んでいます。
特に相続が発生すると、誰も住まない家が放置されるというケースが多いですね。
しかし新法が制定されてから、このように空き家を放置していると相続人に指導・処分が下される事例が増えています。
山梨県内で初、「略式代執行」で空き家解体 | UTYテレビ山梨
行政の指示に従わないと、最終的には代執行により強制的に取り壊しが行われます。
その費用は相続人が負担しなければいけません。
相続放棄したとしても、管理義務は残ります。
だから相続した実家に誰も住む予定がないのなら、早めに取り壊しを検討しましょう。
こんな悪徳な解体業者に注意
家を解体するときは、解体業者に依頼することになります。
ただこの解体工事では、悪徳な業者によるトラブルが絶えません。
- 見積もり額が安かったので依頼したら、高額な追加費用を請求された
- 依頼した業者が不法投棄していたことが発覚し、警察から事情聴取された
といった事例があります。
そんな悪徳業者に騙されないためにも、きちんとした解体業者の選び方を知っておきましょう。
良い解体業者の選び方|大手か?地元工務店か?
解体業者に工事を発注するには、いくつかの方法があります。
順番に見ていきましょう。
大手解体工事業者
一般的には解体業者は小規模な事業所が多く、主に工務店の下請けとして解体工事を受注しています。
しかし中には、大規模な解体工事を受注している大手解体業者もありますね。
大規模な解体工事を受注するには、
- 建設業許可
- 産業廃棄物収集運搬業の許可
という許可を得なければいけないので、きちんと管理されている事業所がほとんどです。
建設業許可を受けている業者については、国土交通省の建設業者 検索で検索できます。
また産業廃棄物収集運搬業については、環境省の産業廃棄物処理業者情報検索システム を参考にしてみてください。
地元の工務店経由
大手でなくても構わないということなら、地元の工務店を通じて紹介してもらうのも良いでしょう。
中小の解体業者は与信管理などで不安がありますが、地元の工務店を経由して発注すれば工務店側でリスク管理を行ってくれます。
インターネットで探す
自分で解体業者を探したいというのであれば、まずは都道府県の建設業課をチェックしてみてください。
普通にグーグルなどで「解体業者 東京」といったキーワードで検索すると、ズラッと業者のホームページなどが出てきます。
ただこれでは、本当に信頼できるかどうかはわかりませんね。
建設リサイクル法によって、解体業者はすべて都道府県の建設業課に登録することを義務付けられています。
例えば東京都に登録している解体業者は、東京都都市整備局ホームページで探せます。
ここに登録されているということは、ある程度きちんとした業者だという証明になるのですね。
また全国解体工事業団体連合会のHP(全解工連)を参考にしても良いでしょう。
ここから各都道府県の協会ホームページへ飛ぶと、登録されている解体業者を検索できるのです。
自分で探すのが面倒くさいなら、解体工事一括見積もりサイトを利用する
ここまで優良業者の選び方を紹介してきましたが、自分で探すのはかなり面倒くさいですね。
信頼できる工務店と知り合いでもない限り、なかなか大変な作業になります。
そんなときは、インターネット上で利用できる解体業者一括見積りサービスがオススメです。
一括見積りサービスでは、審査によって信頼できる解体業者のみを紹介してくれます。
また複数の業者から一括で見積り請求できるので、自分で手続きする手間も省けます。
信頼できて、なおかつリーズナブルな金額の業者に依頼することができますよ。
一括見積りサービスは複数ありますので、順番にご紹介していきましょう
対象エリア | 全国 |
---|---|
提携会社数 | 650社以上 |
同時依頼数 | 3社 |
運営会社 | 社団法人 あんしん解体業者認定協会 |
一般社団法人あんしん解体業者認定協会が運営しているサービスなので、信頼性が高いです。
全国の優良業者の中から、最大3社に一括して見積り請求ができます。
不明な点を相談したい場合は、地域専属スタッフがていねいに対応してくれますから安心ですよ。
見積り・相談など全てのサービスが無料で利用できます。
対象エリア | 全国 |
---|---|
提携会社数 | – |
同時依頼数 | 3社 |
運営会社 | 株式会社イーネットワン |
複数の登録業者から提出された見積り書は、まず解体見積お助け隊の専門スタッフによってチェックされます。
ここで曖昧な見積り書は除外されるわけですね。
その上で最適な業者をユーザーに提案してくれます。
発注をお断りするのは気が引けるという人には、お断りを代行するサービスも無料で行ってくれます。
ユーザーとしてはお任せするだけなので楽チンですね。
解体工事110番 | |
対象エリア | 全国 |
提携会社数 | 1社 |
同時依頼数 | 1社 |
運営会社 | シェアリングテクノロジー株式会社 |
全国の解体工事に対応していて、一律18,000円/坪〜という低料金を実現しています。
低料金というと手抜き工事などが心配になりますが、もちろんこの解体工事110番は大丈夫。
解体工事に精通した専門スタッフが、見積りから役所への届出まで責任を持って対応してくれます。
運営母体も東証マザーズ上場企業(シェアリングテクノロジー株式会社)なので、信頼感がありますね。
解体工事の流れ
解体工事の流れをカンタンにフロー図にしてみました。
仮設工事
内装撤去
重機搬入
建物上屋解体
発生材・廃材処分
建物基礎解体
発生材・廃材処分
埋戻し・整地
完了確認
重機搬出・清掃
工事完了
見積書をチェックする3つのポイント|信頼できる業者を見極めるために
業者から見積書が送られてきたら、ていねいに内容をチェックしておきましょう。
このチェックをしっかりしておくことで、信頼できる解体業者かどうかを見極められますよ。
足場・養生についての項目があるか?
解体に限らず工事をする上で重要になるのが、
- 事故無く安全に工事を行うこと
- 近隣へ迷惑をかけないこと
という2点です。
この点について配慮がなされているか?必ず確認しておきたいですね。
解体作業は高所作業になるので、足場を含む仮設工事は必須です。
この仮設工事についての費用を見積もっていない業者は、ブラックだと考えて良いですね。
また足場を組んだ後にシートなどで覆う養生についても、近隣への騒音・粉塵対策として重要です。
特に隣地が近い住宅密集地では、特別な配慮が必要になるでしょう。
もし疑問点があれば、事前に業者に質問しておきたいポイントですね。
建物以外の部分は見積もりに入っている?
解体工事の見積書をチェックするときに注意したいのが、建物以外の部分がキチンと計上されているかどうか。
- 塀
- 土間コンクリート
- 庭石・砂利
- 庭木
- 電気やガスなどの設備
更地にするためには、このような建物以外の部分を解体しなければいけません。
見積書に記載がなくて、実際の工事が進んでから追加料金を請求されるというトラブルも多いです。
注意してチェックしておきましょう。
ブロック塀の解体
家の回りを囲んでいるブロック塀。
ブロック塀を解体する費用は、概ね以下のとおりです。
名称 | 単価(円/㎡) |
---|---|
ブロック塀(厚100mm)解体 | 3,660 |
ブロック塀(厚120mm)解体 | 4,390 |
ブロック塀(厚150mm)解体 | 5,480 |
ブロック塀はブロックを積み上げた本体部分と、コンクリート製の基礎部分に分けられます。
解体についても、基礎部分を別途見積もりする必要がありますね。
名称 | 単価(円/m) |
---|---|
ブロック塀I型基礎(120mm✕400mm)解体 | 1,820 |
ブロック塀I型基礎(120mm✕450mm)解体 | 2,050 |
ブロック塀L型基礎(520mm✕400mm)解体 | 4,100 |
ブロック塀L型基礎(520mm✕450mm)解体 | 4,330 |
地域や敷地の状況によって相場は変わりますが、ある程度の目安として確認してください。
またブロック塀の撤去・解体で注意すべきは、隣地との関係です。
隣地境界線に建っているブロック塀の場合、自分の所有物とは限りません。
- 自分がすべて費用負担して建てた
- 隣地所有者と自分とで費用を折半して建てた
- 隣地所有者が単独で建てた
というパターンが考えられます。
隣地所有者が費用負担したケースでは、勝手に取り壊してしまうと法的トラブルに発展してしまうことも。
境界確認の際に、ブロック塀の所有権についても確認しておきたいですね。
大谷石塀の解体
ブロック塀に似ていますが、より自然石に近い凸凹した塀は大谷石を使っています。
大谷石はブロックよりも大きく重量もあるので、撤去・解体の費用は高くなってしまいます。
名称 | 単価(円/㎡) |
---|---|
大谷石(厚180mm)解体 | 7,680 |
大谷石(厚210mm)解体 | 8,970 |
大谷石(厚300mm)解体 | 12,800 |
土間コンクリート解体
土間コンクリートとは、駐車スペースなどに打設されたコンクリート床のことです。
薄いのでそれほど撤去費用がかかるわけではありませんが、処分費にも関係してくる部分なので、見積書から洩れていないかを確認しておきましょう。
名称 | 単価(円/㎡) |
---|---|
土間コンクリート(厚80mm)解体 | 2,800 |
土間コンクリート(厚100mm)解体 | 3,500 |
庭石の撤去
手入れされている庭だと、大きな庭石や砂利があるかもしれませんね。
「立派な石だったら買い取ってくれるかも?」という期待を抱いているかもしれませんが、ほとんどの場合は砕いて撤去されます。
庭石や砂利の撤去費用は、1kgあたり30~50円程度が相場。
撤去・搬出に重機を使う場合は、プラス30,000円程度がかかります。
ただ建物やブロック塀と同時に撤去する場合は、重機やトラックに関する費用は安くなりますね。
電気・ガス・水道の撤去
電気・ガス・水道などのメーターや埋設管を撤去するときは、勝手にやることはできません。
まずは事業者に確認する必要があります。
特にガス管の撤去は危険が伴うので、注意が必要ですね。
東京ガスの場合だと、メーター撤去や敷地境界線での埋設管切断などは無料で行ってくれます。
悪質な解体業者だと、事前の連絡なしに取り壊して問題になることもあります。
見積もり時に確認しておきましょう。
庭木の伐採・伐根
庭の樹木を撤去・処分する費用も、それなりにかかります。
見積書では伐採・伐根というキーワードが出てくると思いますが、両者はまったく異なるもの。
伐採 | 地面の上から数cmのところで幹を切断する。 根はそのまま残す。 |
---|---|
伐根 | 根から掘り起こして抜き取る。 掘削工事があるので費用は高額になる。 |
費用面でも大きな違いがあるので、注意しておきましょう。
解体後に更地として売る場合には、伐根まで行っておいたほうが良いでしょう。
買主が土地を購入してから建物を建てようとするとき、木の根が残っていると邪魔になります。
伐根費用を売買代金から差し引くことも考えられますから、高く売るためには見過ごせないポイントですね。
届出についての記載はある?
解体工事は自分の都合で勝手に行うことはできません。
法律に基づいた届出をする必要があります。
期日 | 提出先と内容 |
---|---|
工事開始の7日前まで | 市区町村「建設リサイクル法の届出」 |
工事完了後1ヶ月以内 | 法務局「建物滅失登記」 |
〃 | 市区町村「家屋滅失届」 (法務局で建物滅失登記していれば不要) |
建設リサイクル法の届出は床面積の合計が80平方メートル以上の建物については、必ず行う必要があります。
法務局での建物滅失登記についても、更地として売却するには必ず必要な手続きですね。
ほとんどの解体業者では、これらの手続きを代行してくれます。
届出についての費用負担などについて、記載があるか確認しておきましょう。
この届出をキチンと行っていない業者は、法律に違反している可能性が高いです。
悪質業者を見極めるポイントとして重要なところですね。