親が亡くなったので相続について聞きたいんだけど、どうやって税理士を探せばいいの?
普段から税理士と付き合いのある人は稀ですから、いざ相続となって問い合わせしたくても、誰に聞けばよいか分からないという人も多いですね。
今回は相続税の申告や税務相談をお願いする、税理士の選び方について解説しています。
税理士に相談するメリット
相続税の申告って自分でできないの?税理士に頼むと費用がかかるし……
と二の足を踏んでいませんか?
もちろん必要な書類を税務署へ提出すれば自分でも申告できますが、プロである税理士に頼むメリットは沢山あるのですよ。
難しい手続きをお任せできる
相続税の申告にあたって提出する書類は、多岐にわたります。
- 遺産分割協議書
- 相続する人ごとの財産明細
- 生命保険金の明細
- 贈与についての明細
- 配偶者控除に関する書類
- 小規模宅地特例に関する書類
- その他
相続人全員で遺産分割協議をして、これらの書類をもれなく作成してとなると、なかなか素人にはハードルが高いですね。
これらの難しい手続きをお任せできるというメリットは大きいですね。
節税対策につながる
相続税の節税対策は、ケースバイケースで変わります。
小規模宅地等の特例や配偶者控除などの一般的なものから、土地にアパートを建てて評価額を下げるという特殊なものまで。
これらの節税対策をどのような流れで行っていくか、プロである税理士の助言は欠かせないでしょう。
将来の相続まで含めた計画を立ててくれる
相続というのは、一回限りで終わるものではありません。
一般的には父親が亡くなってからの相続(一次相続)のあと、母親が亡くなったあとの二次相続があります。
二次相続では配偶者控除が使えないので、より細かい節税対策が求められます。
また相続した子が亡くなれば、孫に相続が発生します。
このような将来の相続まで見据えた計画(スキーム)を立てるのも、相続専門の税理士なら可能ですよ
税務調査のとき頼りになる
相続税の申告を終えたらひと安心、とは限りません。
税務署で申告内容をチェックされたあと、改めて税務調査が入ることがあります。
税務調査となると、税務署の署員があなたの自宅を訪問して、相続の詳細についての質問を行います。
この税務調査で申告漏れを指摘されて、追徴課税となることが多いのですね。
どのくらいの確率で税務調査が入るのか、2018年の実績を見てみましょう。
相続税の申告件数 | 111,728件 |
---|---|
税務調査の件数 | 12,576件 |
割合 | 11% |
(国税庁「平成29年分の相続税の申告状況について」を元に作成)
税務調査になる割合を単純計算すると11%ですから、けっこうな高確率ですね。
税務調査なんて対岸の火事、と安易に考えることはできません。
この税務調査のときに頼りになるのは、もちろん税理士です。
税務調査が入るときに、調査のサポートだけをお願いすることもできます。
しかし申告の時から税理士にお願いしておけば、継続的にサポートしてもらえますよ。
費用がかかるのが唯一のデメリット
税理士にお願いするデメリットを挙げるとすれば、費用がかかることでしょう。
税理士に支払う報酬は、一般的に相続財産総額の1%前後と言われています。
財産の額によっては、それなりに高額になりそうですね。
相続税の申告を税理士に依頼するときの費用については、別の記事に詳しい解説をしています。
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しかし前述の通り、税理士に相続手続きをお願いするメリットは多いです。
余計なトラブルを避けるためにも、相続が発生する前から税理士に相談しておきましょう。
相続専門の税理士の探し方
税理士って具体的にどこで探せばいいの?という質問にお答えしたいと思います。
地域の無料相談会に行く
各地の税理士会では、無料の税務相談会を開催しています。
税理士会の相談会に行ってみる | 日本税理士会連合会
とりあえずこのような相談会へ行って、良さそうな税理士を探すというのも良いでしょう。
相続についての無料相談窓口については、以下の記事で詳しく解説しています。
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ただこのような相談会で会える税理士が、相続税に強い税理士かどうかというのは分かりません。
所得税や法人税が専門の税理士かもしれませんよね。
またこういった相談会を担当するのは、その地域の税理士会でも若手が中心です。
経験豊富な税理士に当たる可能性は低いでしょう。
インターネット検索
手間を掛けずに税理士を探す方法としては、インターネット検索を使うという方法もあります。
このとき注意したいのが、地域名で絞り込むということ。
例えば亡くなった人の住所が名古屋市だったら、「相続 税理士 名古屋」と検索しましょう。
相続税の納税地は被相続人(亡くなった人)の住所を管轄する税務署で行いますから、亡くなった人の住所に近い税理士を探すほうが良いのです。
例えば自分が東京に住んでいるから東京の税理士にお願いしよう!となると、納税地まで税理士が出張することになりますから、税理士に支払う報酬が高額になってしまうこともあります。
またインターネット検索では、その税理士が本当に実績のある相続専門の税理士か?という肝心なところは分かりませんね。
知人からの紹介
知人から紹介された税理士にお願いするというパターンも多いです。
ただこのケースでも、
- 本当にその税理士が相続に強いのか?
- 相続税申告の経験が豊富か?
- 納税地の税務署と、つながりがあるか?
といったことは分かりませんね。
相続専門の税理士を探すには、税理士紹介ポータルサイトがオススメ
以上のような手間を掛けずに、優秀な相続専門の税理士を探すには、税理士紹介ポータルサイトを利用するのがオススメです。
税理士紹介ポータルサイトとは、全国の優秀な税理士を厳選して紹介してくれるインターネットサービスのこと。
地域や相続などの条件を元に、適切な税理士を紹介してくれます。
ポータルサイトを利用すると料金が余計にかかるかも?と心配している人もいますが、すべて無料で利用できます。
紹介された税理士がポータルサイト側にお金を払うシステムなので、利用者がお金を払う必要が無いのですね。
またポータルサイトの相談員が、いろいろな疑問にアドバイスをくれるといったサービスもあります。
もし相続のことで困ったことがあれば、気軽に相談してみましょう。
相続について相談できるポータルサイト一覧
ここでは代表的な税理士紹介ポータルサイトをご紹介します。
- 登録している税理士の数
- ポータルサイトによるサポート体制
- 無料で見積もりをしてくれるか?
といったポイントでランキング化してみました。
税理士との条件交渉などを代行してくれます。
もし税理士との面談に不安があるのなら、コンサルタントが同席してくれることも。
なにも分からなくて不安なときも、手厚いサポートがあるから安心ですね。
全国で3,000名以上の税理士が登録していて、専任コーディネーターが相続に強い税理士を紹介してくれます。
税理士と会う前に複数の税理士事務所から見積もりを取って、条件を比較するなんて使い方もできますよ。
だから全国の信頼できる税理士のネットワークができているのですね。
また急いで紹介してもらいたい場合にも、柔軟に対応してくれます。
最短で相談した当日に紹介してくれることも。
個別の事情がからむ相続だからこと、こういったニーズに応えてくれるのはありがたいですね。
税理士の選び方の基準
- 相続税の申告件数が多い
- 費用の見積もりをキチンと出してくれる
- 初回の相談は無料
- 説明がていねい
税理士に相続するタイミング
- 親の借金を相続したくないから、相続放棄したい→亡くなってから3ヶ月以内
- 申告期限までに必要書類を揃えたい→亡くなってから10ヶ月以内
- 愛人に遺産を取られたから、遺留分を取り戻したい→亡くなってから1年以内
- とりあえず申告したけど、特例適用や還付請求ができないか相談したい→申告から1年以内
その他の専門家
- 司法書士
- 行政書士
- 不動産鑑定士
- 宅地建物取引士
- ファイナンシャルプランナー