葬儀屋の選び方


「急に親が亡くなったけど、なにも葬儀の準備をしていない!」
身内の不幸で葬儀社を手配することになっても、どこを頼ったら良いか分かりませんよね。
そんなあなたのために、

  1. 葬儀屋にはどんな種類があるのか?
  2. 実際の費用はどれくらい?
  3. 誠実な葬儀社の選び方とは

というテーマで解説していきます。

もしも「すぐに見積もりをしたい」ということなら、インターネット経由で一括見積もりできる葬儀レビが便利です。
いつでも専門スタッフに相談できて、希望に合わせた葬儀社へ見積もり依頼ができますよ。

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葬儀社とは?実は誰でもできるんです

葬儀社とは亡くなった方のために、

  • 葬儀の準備
  • 会場の確保
  • 葬儀当日の進行

などを行うサービス業です。
そんな人生の大切な場面をサポートする葬儀社ですが、実は特別な許認可が必要ないことはご存知ですか?
もし葬祭業をしたければ、誰でもできる仕事なのですね。
古くからある葬儀社でも、家族経営の小さい企業が多いです。

葬儀社の規模でみると、ほとんどが従業員29名以下の中小企業だということが分かります。
費用やサービスもピンキリなのです。
したがって故人を送り出すにあたって、どの葬儀社を選ぶか?というのが重要になってくるのです。

葬儀社の種類|異業種参入により競争激化

かつての葬儀社というと、地元の専門葬儀社や互助会くらいしかありませんでした。
しかし高齢化によるニーズ増加により、ネット系企業などの異業種からの参入が進んでいます。
前述のとおり葬祭業には許認可が必要ないので、異業種企業も参入しやすいのですね。
この流れを受けて、

  1. 低価格化
  2. サービスの簡素化

が進んでいます。
そんな変化の激しい葬儀社の、種類と特徴についてまとめてみました。
そんな変化の激しい葬儀社の、種類と特徴についてまとめてみました。

価格 サービス
専門葬儀社

業者によってバラつき

零細業者はイマイチ

ネット系
葬儀社

セットプランで安い

独自のサービス基準も

冠婚葬祭
互助会

積立&追加料金あり

自社で会館・斎場を所有

JA
(農業協同組合)

組合員以外は安くない

提携業者に丸投げのケースも

価格面とサービス面の両方から、それぞれの葬儀社の特徴を見ていきましょう。

専門葬儀社|地域密着型の葬儀屋さん

専門葬儀社のメリット&デメリット

専門葬儀社のメリット&デメリット

専門葬儀社はいわゆる街の葬儀屋さんと呼ばれる葬祭業者で、古くからある地域密着型の葬儀社です。
地元で長年に渡って営業している小さな業者が多く、地元の寺院とのつながりが深く、風習にも精通しています。
自社斎場を持っていない葬儀社も多いので、サービスもピンキリです。
価格面でもバラつきがある印象ですね。
信頼できる葬儀社かどうか?見極める必要があります。
見積書やスタッフの対応をチェックしておきましょう。

ネット系葬儀社|料金体系が明確で人気急上昇

ネット系葬儀社のメリット&デメリット

ネット系葬儀社のメリット&デメリット

最近人気になっているのが、インターネットを通じて依頼できるネット系葬儀社です。

料金は相場より安い

最大の特徴は料金体系が明確で、相場より安くなるという点。
かつての葬儀社は見積もりも曖昧な点が多く、明確な基準もありませんでした。
業者の言いなりで金額が決まってしまう傾向にあったのですね。
葬儀当日になって追加料金が発生する、なんてことも普通でした
しかしネット系葬儀社は、セットプランにより価格が設定されていて明確です。
相場も旧来の専門葬儀社に比べて3割以上安いことも。
他の葬儀社に頼むときも、ネット系葬儀社で見積もりを取って比較してみるのが良いでしょう。

サービスの質|委託業者によりけり

よく誤解されているのですが、ネット系葬儀社の多くは自社で葬儀を行うわけではありません。
提携している葬儀社に委託して葬儀を行います。
したがって同じネット系葬儀社で依頼しても、どんな葬儀社になるかは分からないのですね。
したがって葬儀サービスの質も提携している葬儀社しだいということになります。
ただ基本的な内容はプランに含まれているものですから、セットプランに何が含まれているかを確認しておきましょう。

大手のネット系葬儀社リスト

ここではネット系葬儀社の中でも、有名なところをいくつかご紹介していきましょう。

特徴 価格帯
(一般葬・税別)
運営会社
よりそうのお葬式 全国の斎場が使える。
全額返金保証付き。
54.8万円 株式会社よりそう
小さなお葬式 NHKでも紹介された、ネット系葬儀社の中心的存在。 59.9万円 株式会社ユニクエスト(UNIQUEST)
終活ねっと 直葬から一般葬まで、様々なスタイルの葬儀に対応している。 60.8万円 株式会社終活ねっと
イオンのお葬式 独自のサービス基準をクリアした葬儀社のみと提携。
低価格と高いサービス品質を両立をしている。
65.5万円 イオンライフ株式会社
いい葬儀 実際に利用したユーザーの口コミが多数掲載。評価の高い優良葬儀社を厳選して紹介している。 提携業者により異なる 株式会社鎌倉新書
よりそうのお葬式
よりそうのお葬式

よりそうのお葬式

税別価格
直葬 11.3万円~
火葬式 14.8万円~
一日葬 27.8万円~
家族葬 40.8万円~
一般葬 54.8万円~

よりそうのお葬式は、

  • 葬儀の一括見積り「葬儀レビ」
  • Amazonで依頼できる「お坊さん便」

などを提供しているベンチャー企業株式会社よりそう(旧:株式会社みんれび)による葬儀サービスです。
豊富なセットプランと明瞭価格で評判が良いですね。

小さなお葬式



税別価格
直葬 11.9万円~
火葬式 15.9万円~
一日葬 29.9万円~
家族葬 44.9万円~
一般葬 59.9万円~

小さなお葬式は株式会社ユニクエストが提供していて、ネット系葬儀社の中でも代表的な存在です。
スタートして既に10年が経過しているので、実績豊富な葬儀サービスと言って良いでしょう。
小さなお葬式の特徴は、過不足ないプラン内容で追加料金がかかるケースが少ないこと。
葬儀社によっては見積もり額が安くても追加料金が上乗せされ、結果的に高くなってしまうこともあります。
小さなお葬式ではドライアイスや生花祭壇など、基本的な内容がすべてプランに組み込まれているので安心ですね。

いい葬儀



税別価格(東京23区)
直葬
火葬式 7.3万円~
一日葬 16.8万円~
家族葬 22.5万円~
一般葬 32.8万円~

いい葬儀は、東証一部上場の株式会社鎌倉新書が運営している葬儀サービスです。
特徴として、提携葬儀社の中から価格やサービス内容で選べるという点が挙げられます。
一般的なネット系葬儀サービスはプラン価格が固定されていますが、いい葬儀では提携葬儀社ごとに価格が異なります。
葬儀社同士を競争させることで、低価格化を実現しているのですね。
「どうやって選んだらいいか分からない……」という人にも、電話で相談しながら一括見積りをしてくれますので、安心ですね。

終活ねっと
税別価格
直葬 14.5万円~
火葬式 19.3万円~
一日葬 34.3万円~
家族葬 49.3万円~
一般葬 61.3万円~

終活ねっとは、DMMグループ会社が運営している葬儀サービスです。
終活ねっとの特徴は、同じプランの中でもシンプルなものと豪華なものを選べること。
例えばシンプルな家族葬プランでは49万円~ですが、豪華プラン(75万円)に変更すると、

  • 30名以上お招きできる
  • 祭壇がグレードアップ
  • 送迎バスあり
  • 故人のラストメイクあり

といった差が出てきます。
「身内だけの式でも、あまり寂しいのはイヤ」という思いに応えてくれるプランですね。

イオンのお葬式
税別価格
直葬 12.9万円~
火葬式 18.5万円~
一日葬 32.5万円~
家族葬 46.0万円~
一般葬 65.5万円~

イオンのお葬式は名前の通り、イオングループのイオンライフ株式会社が運営している葬儀サービスです。
自社で葬儀を行うのではなく、提携葬儀社を紹介する形になっていますね。
全国展開しているイオングループですが、このイオンのお葬式の評判は必ずしも良くありません。
「提携葬儀社に丸投げしている」といった口コミも見かけます。
消費者庁による措置命令を受けていたこともあり、やや低評価になってしまいますね。

冠婚葬祭互助会|解約手数料などのトラブル多し

冠婚葬祭互助会はトラブルが多い

冠婚葬祭互助会は解約手数料などトラブルが多い

冠婚葬祭互助会、いわゆる互助会は、古くからある葬儀サービスですね。
生前から葬儀費用を積み立てるというのが最大の特徴で、割賦販売の一種です。
あらかじめ積み立てておくことで葬儀の準備ができて、子どもたちにも迷惑をかけないという面で根強い人気を誇っています。
ただこの互助会は、一般的な相場よりも費用が高くなりがち
なぜなら互助会は自社の斎場や会館を保有していて、維持費がかさむから。
前払い金だけでは足りず、追加料金の支払いが発生するケースが問題になっています。

父が葬儀社と夫婦二人分の葬儀費用について生前契約をしていました。しかし、実際に葬儀をしたところ、契約金額の範囲内ではできないと追加料金を上乗せされ、契約金額よりも高額な料金を請求されました。

引用元:葬儀は事前に契約していた金額よりも高額になることがあるの?(身近な消費者トラブルQ&A)_国民生活センター

価格の高さが敬遠されて、互助会からネット系葬儀社に乗り換える人も多いですね。
ただここで問題になるのが、解約手数料
高額な手数料を請求されてトラブルになったという事例もあります。

3,000円を100回払いする30万円のコースを見ると、42,450円の解約手数料

引用元:冠婚葬祭互助会の解約手数料のあり方等に係る研究会報告書

生前契約の解約については、別記事で詳しく解説しています。
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JA葬祭|農協の組合員は安くなる

JA葬祭

JA葬祭は組合員限定のサービス

一般的に知られていませんが、JA(農協)でも葬祭サービスを提供しています。
JAの組合員向けに低価格でサービスを提供しているのですが、組合員以外でも利用できます。
ただ組合員以外はそれほど安くないので、あまりメリットは感じないでしょう。
JA葬祭は自社で斎場を持っていることが多いですが、提携葬儀社に丸投げしているケースもあります。
各地のJAが独自に展開しているので、地域によってサービスの質は様々。
もし実家がJAに加入しているのなら、地元の農協で確認してみましょう(お近くのJAを探す)。
[st-mybox title=”その他の新規参入企業” fontawesome=”fa-info-circle” color=”#e54d03″ bgcolor=”#fff0e8″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold”]
その他にも、

  • 鉄道会社
  • ホテル
  • 生協
  • 周辺産業
    (生花販売・墓石販売など)

などの周辺産業が葬祭サービスに参入しています。
[/st-mybox]
葬儀社間の競争が激しくなっている分、低価格化が進んでいますね。
ただ私たちユーザーとしては選択肢が増えて、選び方が難しくなっていますね。
葬儀社を選ぶときは最低3社から見積もりをとって比較することを心がけてください。

葬儀にかかる費用|葬儀社によって見積もり額が30万円超の差になる

では葬儀社によって見積もり額がどれくらい異なるのか?
実際に複数の葬儀社へ見積もりを取ってみました。
条件としては、東京都内で家族葬(参列者30名)を行うことを想定しています。

葬儀社ごとの見積もり比較グラフ

葬儀社3社に家族葬の見積もりを取ってみた


見積もり額に30万円以上の差が出てきたので、驚きですね。
やはり冠婚葬祭互助会は高いようです。
見積もり項目を詳しく見ていきましょう。

専門葬儀社 互助会 ネット系
いい葬儀
総額(税抜価格) 84.1万円 98.1万円 64.7万円
葬儀サービス(プラン)小計 63.3万円 74.3万円 45.9万円
生花祭壇 プラン内
(6尺)
28.0万円 プラン内
(幅2m2段)
搬送 プラン内
(10kmまで)
3.2万円 プラン内
(50kmまで)
安置室使用料 2.0万円 4.0万円 プラン内
(4日まで)
ドライアイス プラン内
(10kg)
0.8万円 プラン内
(4日まで)
線香・ろうそく プラン内 0.0万円 プラン内
棺・棺用布団 プラン内 5.0万円 プラン内
仏衣 プラン内 1.5万円 プラン内
位牌 プラン内 プラン内
式場使用料 10.0万円 20.0万円 プラン内
(10万円まで)
受付セット プラン内 プラン内
焼香セット プラン内 プラン内
遺影写真 プラン内 3.0万円 プラン内
会葬礼状 プラン内 1.5万円 プラン内
(60枚まで)
骨壺・骨箱 プラン内 0.8万円 プラン内
自宅飾り 1.5万円 プラン内
会場スタッフ プラン内 5.0万円 プラン内
司会者 プラン内 1.5万円 プラン内
別途費用の小計 20.8万円 23.8万円 18.8万円
食事代(30名) 12.0万円 15.0万円 10.0万円
返礼品代(30名) 3.0万円 3.0万円 3.0万円
火葬料(東京・都民の場合) 5.8万円 5.8万円 5.8万円
お布施(宗教者費用) 個人差が大きい 個人差が大きい 個人差が大きい

葬儀サービスはセットプランの内容に注意

ネット系葬儀社の場合、基本的な内容はセットプランに組み込まれています。
専門葬儀社の方もセットプランですが、一部プラン外の項目がありますね。

  • 安置室使用料
  • 式場使用料

といった項目が別に計上されています。
互助会はセットプランではなく、項目ごとに計算するかたち。
このように、葬儀社によってセットプランの内容がバラバラなのに注意してください。
「全部おまかせしていたら、別料金のものが入っていた」ということにならないように。

葬儀サービス以外の食事代などの見積もり額もチェックしよう

棺や祭壇など直接葬儀に関わるサービスは、セットプランとして提供されています。
しかし、

  • 参列者に提供する食事代・返礼品代
  • 火葬料
  • 僧侶へのお布施

といった葬儀以外の項目は別に計上していることが普通です。
この別項目だけでも20万円程度の金額になりますから、馬鹿になりません。
特に食事代は参列者の数によって変動するので、あらかじめ金額を予測しにくいのです。
かといってこの部分を無視すると、葬儀当日になってから「思っていたよりも高い……」ということになりかねません。
きちんと見積もり時に葬儀サービス以外の項目についても、確認しておきましょう。
[st-mybox title=”葬儀費用は相続財産から控除できる” fontawesome=”fa-file-text-o” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#fafafa” borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=”” myclass=”st-mybox-class” margin=”25px 0 25px 0″]
ちなみに葬儀にかかった費用は、相続税の計算のときにマイナスの資産として差し引くことができます。
葬儀費用以外にも、

  • 墓地
  • 墓石
  • 仏壇

など祭祀道具にかかる費用が控除できます。
相続税申告のときに必ずチェックしておきましょう。
[/st-mybox]

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