解体工事

鉄骨造建物の解体費用見積もり例|規模や条件別によって相場が違う

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鉄骨造建物の解体費用はアスベストに要注意!
鉄骨造の建物を解体するにはどのくらいの費用がかかるのか?
鉄骨造の仕組みやアスベスト処理費用についても解説しています。

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そもそも鉄骨造とは?重量鉄骨と軽量鉄骨の違い

鉄骨造は文字どおり、鉄を主成分とした鋼材を組んだ構造をもつ建築物を言います。
鉄骨造は一般にS造(Steel)と表記されることも多いですね。

鉄骨造に用いられる鋼材の種類は、重量鉄骨軽量鉄骨があります。

重量鉄骨 軽量鉄骨
厚さ 6mm以上 6mm未満
構造 ラーメン構造
(剛接合)
ピンブレース構造
(ピン接合)
建物種類 ビル・マンションなど 住宅など

重量鉄骨ではジョイント部を溶接やボルトで固定する剛接合
軽量鉄骨ではジョイント部をピンで留めるピンブレース構造が用いられています。
ラーメン構造とピンブレース構造
解体工事の費用で見ると、重量鉄骨のほうが高いですね。

重量鉄骨は、

  • 鋼材が重いので運搬が大変
  • 切断に特殊なカッターが必要

というように手間が増えるので、解体費用が増えるのです。

メモ

ちなみに一般的に鉄骨造の住宅は軽量鉄骨で作られていますが、旭化成のヘーベルハウスは重量鉄骨で作られています。
そのぶん工費はかかるのですが、地震や災害に強い構造になっているのですね。

 

鉄骨造解体費用の坪単価・相場

鉄骨造の建物というと、ビルや工場をイメージするかもしれません。

しかし意外に個人住宅でも鉄骨造のものがあります。

有名なところだと旭化成のヘーベルハウスは、鉄骨造ですね。

鉄骨造建物は鋼材やコンクリートの量が多いので、木造建物より解体費用は高くなります。

鉄骨造住宅(延30坪)

30,000〜40,000円/坪

(9,100~12,100円/㎡)

引用元:解体工事の相場は坪単価でどれくらい?極端に安い見積りに注意!

平均的な相場は延べ面積(坪)あたり3万円台。

建物の規模や敷地条件別に、見積り例を挙げてみましょう。

一般住宅(30坪)

鉄骨造の住宅と言っても、大きく分けて2種類があります。

  1. ヘーベルハウスなどの重量鉄骨造
  2. レオパレスの軽量鉄骨造

ここでは重量鉄骨造について、解体工事の見積もり例を見ていきます。

名称 仕様 数量 単位 単価 金額
1.仮設工事
外部足場 くさび式 ブラケットー側 残置1ヶ月 材工共 150 架㎡ 940 141,000
シート養生 シート養生 防炎一類 残置1カ月 材工共 150 架㎡ 490 73,500
小計 214,500
2.解体工事
上屋解体 鋼材量30~50kg/㎡ 鉄骨カッター主体 100 3,100 310,000
基礎コンクリート解体 圧砕機・大型ブレーカー併用 10 10,900 109,000
小計 419,000
3.廃材処分
木くず処分 運搬費および処分費 38 6,000 228,000
コンクリートガラ処分 運搬費および処分費 30 4,500 135,000
石膏ボード処分 運搬費および処分費 8 12,000 96,000
その他解体系混廃処分 運搬費および処分費 21 10,000 210,000
小計 669,000
合計 1,302,500
㎡単価 13,000
坪単価 43,000

一般に規模が小さいほど、坪単価は高くなってしまいます。

この規模の解体工事だと坪単価4万円を超えてしまいますね。

道路幅・敷地が狭いケース(30坪)

同じ規模と構造の解体工事でも、条件によっては工事費が高くなることがあります。

  • 前面道路が狭くて、重機や大型トラックが入れない
  • 敷地が狭く、隣接建物と近接している

このような場合、

  1. 重機を使えないので手作業で解体する
  2. 廃材も手作業で運び出す

という手間が発生するので余計な工費がかかってしまうのですね。

名称 仕様 数量 単位 単価 金額
1.仮設工事
外部足場 くさび式 ブラケットー側 残置1ヶ月 材工共 150 架㎡ 940 141,000
シート養生 シート養生 防炎一類 残置1カ月 材工共 150 架㎡ 490 73,500
小計 214,500
2.解体工事
上屋解体 鋼材量50~75kg/㎡ 手こわし 100 7,500 750,000
基礎コンクリート解体 住宅 ハンドブレーカー主体 10 31,500 315,000
小計 1,065,000
3.廃材処分
木くず処分 運搬費別 2 4,500 9,000
コンクリートガラ処分 運搬費別 14 5,000 70,000
混廃処分 運搬費別 5 11,000 55,000
運搬費 3tダンプ 手運び含む 8 10,000 80,000
小計 214,000
合計 1,493,500
㎡単価 14,900
坪単価 49,300

規模の大きい店舗・工場(100坪)

規模の大きい工場などは敷地が広く効率よく解体できるので、一般的に坪単価が安いことが多いです。

しかし、

  • アスベストを含む吹付け材が使われている
  • 特殊なプラント設備の解体をする

といった場合は、費用が上乗せされますので注意しておきましょう。

名称 仕様 数量 単位 単価 金額
1.仮設工事
外部足場 くさび式 ブラケットー側 残置1ヶ月 材工共 280 架㎡ 940 263,200
シート養生 シート養生 防炎一類 残置1カ月 材工共 280 架㎡ 490 137,200
小計 400,400
2.解体工事
上屋解体 鋼材量50~75kg/㎡ 人力・機械併用(鉄骨カッター主体) 330 4,650 1,534,500
基礎コンクリート解体 大型ブレーカー・ハンドブレーカー併用 50 19,500 975,000
小計 2,509,500
3.廃材処分
木くず処分 運搬費別 6 4,500 27,000
コンクリートガラ処分 運搬費別 49 5,000 245,000
混廃処分 運搬費別 15 11,000 165,000
運搬費 10tダンプ 7 10,000 70,000
小計 507,000
合計 3,416,900
㎡単価 10,400
坪単価 34,400

解体工事の手順を詳しく解説|発生材を買取ってもらえる

鉄骨造建物を解体するときの流れは、以下のとおりです。

事前調査・届出等

仮設工事・養生シート設置

内装解体

建物上部を手壊し

建物下部を機械で解体

基礎の解体

発生材の分別・搬出

重機の搬出・片付け

整地作業

それぞれの手順を詳しく解説していきましょう。

事前調査|ていねいに行ってくれる業者を選ぼう

解体工事では、事前に現地を見て調査することはとても重要です。
敷地の大きさや建物の状況把握、道路の幅や交通量といったことが見積もり額にも反映されてくるからですね。

この事前調査をせずに簡易な見積もりだけで請け負う業者は、工事が始まってからトラブルになることもあります。
事前調査をていねいに行ってくれる業者と契約するようにしましょう。

また後ほど詳しく解説しますが、鉄骨造の解体ではアスベストの有無が大きなポイントです。
事前調査で、しっかりとアスベストについて確認しておきましょう。

仮設工事|養生は防音シートが望ましい

建物の周りに足場を組んで養生シートを被せるまでを仮設工事と呼びます。
工事を安全に進めるためにも、この仮設工事は大事な要素になりますね。

特に近隣の敷地に迷惑をかけないように、養生はしっかりと行いましょう。
通常のシートより分厚い防音シートのほうが、騒音や粉じんを抑えられます。
隣の建物がピッタリと近接しているようなときは、シートよりも強い合板で仮囲いすることもありますよ。

建物の解体|手壊しと機械を併用する

後ほど詳しく解説しますが鉄骨造建物の解体では、

  1. 手壊し(ガス切断工法)
  2. 重機による解体(鉄骨切断カッター工法)

を使い分けます。
低層住宅であれば地上から重機による解体を行いますが、敷地が狭い場合は重機が入らないので手壊しになります。
また中層以上のマンションなどは、上部を手壊ししてから下部を重機で解体するというように組み合わせて行います。
手壊しの部分が多くなると手間がかかるので、

  • 工期が長くなる
  • 費用が高くなる

というデメリットがありますね。

基礎の解体|基礎の種類によっては費用が跳ね上がることも

鉄筋コンクリート造の記事(関連🔗)でも解説していますが、基礎の種類によっては解体費用が大幅に上がることに注意しておきましょう。
特に中層以上のオフィスビル・マンションなどでは、杭基礎になっている可能性が高いです。
その場合は杭抜きという工程が発生するので、工期や費用に影響してくるというわけですね。

発生材の分別|鉄骨はリサイクル業者が買い取る

解体工事では発生した廃材の分別が義務付けられています。
特に鉄骨造の特徴として、解体した鉄骨は売れるというのが大きいですね。

鉄筋コンクリート造の場合は鉄筋にコンクリートが付着してリサイクル不可能ですが、鉄骨造はキレイなのでリサイクルしやすいのです。

解体業者が鉄骨を買い取るリサイクル業者を兼ねている場合もあります。
その場合、

  1. 見積もり額から鉄骨買取り分をマイナスする
  2. 工事後に買取り額を受け取る

という2つのパターンが考えられます。
見積もり段階で業者と相談しておくと良いでしょう。

古い鉄骨造の解体ではアスベスト処理費用が高額になる

健康被害を及ぼすことで有名なアスベスト(石綿)。
かつては建材として普通に使われていました。
アスベストが使われている建物の例
※国土交通省「建築物の解体等に伴う有害物質等の適切な取扱い」より引用

特に鉄骨造の場合は鋼材にアスベストを吹き付ける、断熱材として使われることが多いです。

2006年の労働安全衛生法施行令改正により、アスベスト含有量0.1%を超える建材の製造や使用が全面禁止となりました。
逆に言うと、それ以前に建てられた建物にはアスベストが使われている可能性が高いと言えます。

2006年以前に建てられた鉄骨造の建物を解体する場合、アスベスト処理費用がかかることを想定しておきましょう。

処理面積 ㎡あたり単価
~300㎡ 20,000~85,000
~1,000㎡ 15,000~45,000
1,000㎡以上 10,000~30,000


上表は国土交通省がまとめたアスベスト除去費用の相場です。
処理面積にもよりますが、㎡あたり1万円単位の高額な費用になってしまいますね。

もしアスベストを含む鉄骨造建物を解体する場合、費用全体がかなり高額になることを覚悟しておきましょう。

市区町村によっては、アスベスト処理にかかる費用の一部を助成する制度を設けているところもあります。
あらかじめ市区町村の窓口で相談してみましょう。

アスベストを含む建物の解体工事では事前の届出義務がある

解体前の調査で0.1%超のアスベストを含むということがわかった場合、役所に届出をしなければいけません。
届出は工事をはじめる14日前までが期限。

この届出をする義務は発注した施主にあります。
実際の届出は工事業者が代行してくれる場合がほとんどですが、施主の責任になることを覚えておきましょう。

また届出は2種類あります。
例えば東京都の場合、

  1. 大気汚染防止法第18条の15に基づく届出
  2. 東京都環境確保条例第124条に基づく届出

の2つ。
1は国の法律に基づく届出で、2は都の条例に基づく届出です。
これらの届出を提出して、自治体の職員が事前に現場を確認するまでが一連の流れですね。

事前調査をしない悪徳業者に注意


平成26年の大気汚染防止法の改正に伴って、アスベスト対策の責任は大きくなりました。
先ほどの届出義務もそうですが、解体業者は必ずアスベストの事前調査を行い、施主に書面で報告することが義務付けられています。
ただし格安で請け負う業者の中には、このような手続きを省く悪質なものも存在します。
ひどい場合は、除去したアスベストを山中に不法投棄するなんてことも。
このような悪徳業者に責任があるは無論ですが、発注した施主の責任も重大です。
極端に安い見積もりを出す業者には、相応のリスクがあることを覚悟してくださいね。

なるべく費用を安くするには

実際に解体工事を発注するとなると、できれば費用を安く抑えたいというのが本音ですよね。
適正相場の範囲で、解体工事の費用を安くするテクニックをまとめてみました。

【分離発注】地元の解体業者と直接契約しよう

古い家を解体して土地を売却したり土地活用を考えているなら、不動産会社やハウスメーカーを通じて解体工事を依頼することもできます。
このように大きな会社を通じて複数の工事を発注することを、一括発注と呼びます。

ただし費用面でみると一括発注はオススメできません

大手が解体工事を請け負う場合は、実際の工事は下請け業者に任せるのが普通です。
解体工事の一括発注と分離発注
図のように中間マージンが発生するため、どうしても工事費が高くなってしまうのですね。

したがって工事費を抑えるには、地元の専門業者へ直接発注する分離発注)をオススメします。

市区町村の助成金・補助金を活用する

最近は空き家問題が深刻化しているので、国による対策が進んでいます。
その流れを受けて、空き家の除却(解体)に補助金を出している市区町村も。

例えば愛知県豊橋市では、豊橋市空家解体促進費補助金と呼ばれている制度を設けています。
いくつか条件はあるものの、解体費用の3分の2(上限20万円)を補助してくれるというもの。

こういう制度があるのなら、利用しない手は無いですよね。

解体する建物が存する市区町村に補助制度があるかどうか、問い合わせてみましょう。

複数の業者から見積もりを取ろう

解体業者と直接契約するにしても、一社だけ見積もりを取るというのでは不安があります。
解体工事の見積もりは業者によってバラつきが大きく、数十万円の差がつくことも。

したがって、できれば複数の業者から見積もりを取る(相見積もり)ことが望ましいですね。

また業者を選ぶときは金額だけに注目するのではなく、

  • 近隣への配慮をしてくれるか?
  • 追加費用が発生しないか?
  • 家屋滅失届の提出を代行してくれるか?

といったポイントで業者を選ぶようにしましょう。

鉄骨造の解体工法は2種類|規模や周辺環境によって使い分ける

鉄骨造建物の解体工事では、長い鉄骨の柱・梁を切断して運び出さなければいけません。
その鉄骨の解体工法は、

  1. ガス切断工法
  2. 鉄骨切断カッター工法

という2種類があります。

ガス切断工法

新築時に鉄骨を組むときは、溶接によって鉄骨同士を繋げています。
解体するときには、この溶接部分をガス溶断機という機械を使って切断します。
これをガス切断工法と呼びます。

専門の職人による手作業での解体ですね。

このガス切断工法の特徴は、重機をあまり使わないので騒音や振動が少ないこと。
重機を搬入するスペースも必要ありません。

住宅などの小規模な鉄骨造建物の解体工事で用いられる工法です。

鉄骨切断カッター工法

工場など大規模な建物の場合は、ガス切断工法だと時間がかかってしまいます。
したがってこのようなケースでは、重機を使って効率的に部材を切断していく鉄骨切断カッター工法が用いられる事が多いですね。

上の動画のように、油圧ショベルに鉄骨切断カッター機を取り付けて切断していきます。
騒音や振動が出るものの、屋根などの高所でも素早く解体できるのが強みですね。

コスト面では鉄骨切断カッター工法が安い

この2工法をコスト面で比較すると以下の通りです。

延べ床面積当たりの施工単価(円/延㎡)
鉄骨切断カッター工法 3,100~4,150
ガス切断工法 5,900~8,000

ガス切断工法は手作業で行うので、どうしても費用が高くなってしまいますね。
2工法を組み合わせて使うなどして、なるべく工事費を抑える工夫をしましょう。

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