実家の親が土地を貸していて、相続によりその土地を所有することになりました。どうすればいいでしょう?
こんな相談を受けたことがありました。
ただでさえ相続によるトラブルは多いですが、他人に貸している土地(底地)を相続すると他にはないトラブルの可能性が考えられます。
いくつかの事例をあげて、底地を相続するときの注意点について解説していきましょう。
共有名義で相続したら、底地の処分で意見が分かれて兄弟関係が悪化した
[st-mybox title=”共有名義について” fontawesome=”fa-info-circle” color=”#e54d03″ bgcolor=”#fff0e8″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold”]
父親が持っていた土地を兄弟で共有名義にしたのですが、借地人が建て替えするときの承諾料の件で意見が合わなくなりました。
なかなか契約できないので借地人も焦れてきて、兄弟の間で言い争いが増えています。
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底地の相続で一番問題になることが多いのは、共有で相続したときのトラブルです。
底地に限らず不動産の相続では相続人が共有にすることが多いのですが、私は可能な限り共有は避けるようにアドバイスしています。
特に底地を共有にすると、今後のトラブルを生みやすいのです。
なぜなら、底地を持っている所有者は、借地人の建て替えなどで意思決定をすることが多いから。
- 建て替え承諾
- 契約更新
- 地代の変更
- 借地権を第三者へ売却する
このようなとき、共有物の管理行為となり共有名義人の過半数以上の同意が必要なのです。
もし兄弟姉妹3人のうち1人が同意しても、他の2人が拒否したら話は頓挫します。
まったく話が進まないうちに、共有名義人自身が亡くなってしまうかもしれません。
そうすると二次相続でその名義人の配偶者や子が、さらに共有関係の中に入ってきます。
このようなトラブルを防ぐためには、相続の遺産分割協議の中で、底地を単独で相続するように取り決めをしておきましょう。
また生前に残した遺言書に記載があれば、よりスムーズに進むことでしょう。
遠方の底地を相続したら、手間がかかって大変……
[st-mybox title=”遠隔地の底地” fontawesome=”fa-info-circle” color=”#e54d03″ bgcolor=”#fff0e8″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold”]
義父の財産を相続することになったのですが、今住んでいる地域から離れたところに底地があります。
義父が亡くなってから底地の存在を知ったので、まったく土地勘のないところで地代請求などの手続きをしなければなりません。
疲れます……
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相続した底地が近所にあるとは限りませんよね。
遠方にある底地だと、相続登記や借地人への通知・地代の請求などの手続きが大変なことがあります。
それほど収益を生まない底地に、それだけのエネルギーをかけられる人は少ないでしょう。
解決策としては、底地の管理や地代請求を代行するサービスを利用することです。
一定の料金はかかりますが、契約事務などの専門的な手続きも代行してもらえるので安心ですね。
相続した底地を処分したいけど、なかなか売れない
[st-mybox title=”不要な底地を売却したい” fontawesome=”fa-info-circle” color=”#e54d03″ bgcolor=”#fff0e8″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold”]
亡くなった実父の管理していた底地を相続しました。
月数万円程度の地代しか入ってこないので、いっそのこと売却したいと思っています。
ただなかなか売れなくて……
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底地を売却したいと考えている地主さんは多いですが、実際に売却するとなると苦労することになります。
第三者が底地を買ってもそれほどメリットがないので、買い手を見つけるのが大変なんですね。
底地を買う可能性が高いのは、その土地を借りている借地人です。
借地人が底地を買えば土地が完全所有権になり、自由に使用収益できるというメリットがあるからですね。
したがって借地人に購入する意志があるか打診してみるのが良いでしょう。
また他には、
- 借地権を買い取って完全所有権にしてから売却する
- 借地人と等価交換して、完全所有権の土地を手に入れる
といった手法が考えられます。
実際に底地の取引をするときは、他の不動産にはない問題が起こるリスクがあります。
不動産会社の力を借りるほうが安全ですね。
ただ借地権や底地の売買ノウハウを持っている不動産会社は少ないので、専門的に行っている会社を選んで相談してみましょう。
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