他人に貸している土地を相続したいけど、管理しきれないから売りたい。
こんなときは、専門的に取り扱っている不動産会社に仲介を依頼しましょう。
借地権や底地の売買は、一般的な土地の取引とは異なる事情が含まれてきます。
今回は底地を売却するときのノウハウや注意点について、まとめてみました。
なるべく亡くなる前に売却する
相続が発生してから底地を売却しようとすると、非常に大変なことになります。
このサイトでも何度も説明していますが、相続税の申告はなくなってから10ヶ月以内。
その間に遺産分割協議を済ませ、底地の名義人を決めます。
申告を済ませてから納税をして、そこから底地の買い取りについて借地人と協議を始めるという流れになりますね。
底地の相続人が1人なら良いのですが、共有名義にしていると更に面倒なことに。
なるべく元の所有者が亡くなる前に売却し、相続のときに分配しやすい状態にしておきたいですね。
買い主は借地人となることが多い
以前の記事でも解説していますが、第三者が底地を買うというケースは非常に少ないです。
- 現状の地代が相場に比べて極端に高い
- 借地上の建物が朽廃して借地権が消滅する可能性がある
このような特殊なケースでなければ、第三者が底地を買おうとは思わないでしょう。
したがってほとんどの底地売買では、土地を借りている借地人が買い手となります。
売りたいと思ったら、まず借地人にアプローチしてみましょう。
売却額の相場は更地価格×底地割合が基本
売却することが決まったら、次に金額をいくらにするかを考えます。
底地の取引相場というのは難しいですが、一定の目安があります。
[st-mybox title=”計算式” fontawesome=”fa-calculator” color=”#74d0fd” bgcolor=”#e8f7ff” borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold”] 更地価格×底地割合[/st-mybox]
底地割合というのは、相続税路線価における借地権割合から求められます。
底地割合=1−借地権割合
例えば
- 更地価格:1億円
- 借地権割合:60%
の底地があったとすると、その価格は
[st-mybox title=”計算式” fontawesome=”fa-calculator” color=”#74d0fd” bgcolor=”#e8f7ff” borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold”] 1億円×(1−0.6)=4,000万円[/st-mybox]
となります。
ただこの目安となる金額から、当該借地契約にかかる事情を踏まえて加減することが多いですね。
- 周辺地域の取引事例
- 周辺の地代相場と現状の地代との乖離
- 更新料など一時金の額・支払い状況(更新料の相場)
- その他契約内容など
実際に不動産鑑定士が底地の鑑定評価を行う場合は、このような事情を踏まえて評価することが多いです。
基本的には当事者間での話し合いになりますが、裁判で争いになったときは鑑定評価を行うことがあります。
借地権割合の調べ方についてはコチラから。
どの不動産会社に頼むのか?
土地の売買契約では、一般的に不動産会社に仲介をお願いしますよね。
一般的な宅地であれば、売買を得意とする不動産会社は多くあります。
ただ底地や借地権の売買となると、経験のある不動産会社はあまりありません。
もともと底地・借地権は権利関係が複雑な上にトラブルの可能性が高いので、敬遠する会社が多いからです。
そんな中でも、底地や借地権を専門に取り扱っている会社があります。
そういったノウハウを持っている不動産会社に依頼すれば、底地の売買契約はスムーズに進むことでしょう。
借地人に買い取ってもらえない場合はどうする?
借地人に買い取る意志がない場合は、普通に売却できる可能性はほとんどありません。
場合によっては、底地専門の買取業者に買い取ってもらうことができます。
ただし買取相場はとても安くなってしまいますね。
おおむね更地価格の10%程度と考えておきましょう。
いくらでも構わないから売りたい!という希望があるなら、検討してみても良いかもしれません。
ただ買取業者であっても、地域や契約条件などによっては買い取ってくれないケースもあります。
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