旗竿地

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相続税の節税対策

旗竿地は相続税の評価が下がり節税効果アリ!でも売るときは要注意

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都市部の住宅地域に住んでいる人なら、下の画像のような宅地を見たことがあるかもしれません。

旗竿地 画像

間口が狭くて、通路の奥に住宅が建っている土地のことを一般的に旗竿地と呼んでいます(読み方:はたざおち)。

上から見た形が旗に似ているから、このような呼び名になっているのですね。

旗竿地は旗に似ている

今回はこのような旗竿地が相続財産となると、どのように評価されるのかを見ていきましょう。

また相続が終わって旗竿地を売却するときも、注意が必要です。
場合によっては、相場より大幅に値下げしないと売れないことも。
旗竿地を高く売るコツについても解説しています。

旗竿地は不整形地の一種

旗竿地は長方形を組み合わせたような形をしていますが、分類としては不整形地です。

>>旗竿地以外の不整形地の相続税評価額の計算方法

相続税評価の基本となる路線価方式ではキレイな長方形の土地を想定していますから、旗竿地の土地はそれよりも減価されるのは分かりますね。

実際にどうやって計算するのか?例をもとに説明していきます。

旗竿地の評価額の計算例

旗竿地 図面

  • 全体面積:170㎡
  • 有効な宅地部分:150㎡
  • 通路部分:20㎡
  • 前面路線価:250,000円/㎡
  • 地区区分:普通住宅

このような土地の評価減は、以下の通り

計算式

・間口狭小と奥行補正
250,000×0.90×0.90=202,500円/㎡

・不整形地補正率の計算

(想定整形地)
15×20=300㎡

(かげ地面積)
13×10=130㎡

(かげ地割合)
(300-130)/300=0.57

(不整形地補正率)
評価明細書・調整率表より、0.75とする

(間口狭小・不整形地補正)
0.90×0.75=0.67
0.90×0.90=0.81
上記2つの数値のうち、低い方0.67を補正率として査定した。

・補正単価
250,000×0.67=167,500円/㎡

250,000円/㎡が167,500円/㎡になったことで、土地の価格は3割以上も減価されることになります。

間口が2m未満だとさらに減価される

旗竿地で一番重要なポイントは、通路部分の幅です。

この幅が2m以上あれば、建築基準法の接道要件を満たします。

第43条 建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。

引用元:建築基準法第43条 - Wikibooks

ちなみに2m以上という幅ですが、通路部分の全てで確保する必要があります。

無道路地になる旗竿地の例

図のように途中で通路部分が狭くなって2m未満になってしまった場合は、接道要件を満たしません。

接道要件を満たさない土地は、無道路地と呼ばれてさらに減価されます。

>>無道路地の計算方法について詳しくはコチラ

旗竿地のメリット・デメリット

旗竿地は評価額が下がるという以外に、どんなメリットがあるのでしょうか?

実際に住宅用地として利用するときのデメリットと併せて考えてみました。

メリット

価格が安い

評価額が安いということは、実際の販売価格も安くなります。

購入者としては価格が安いというのはメリットですね。

売主側からみると相場より安いというのは残念ですが、買い手がつきやすいというプラスの側面もあるのです。

プライバシーが保てる

旗竿地は他の宅地より奥まったところに位置しているので、プライバシーが保ちやすいという特徴があります。

騒音が少ない

前面道路から離れているため、車の出す騒音も届きにくいですね。

プライバシーと併せて、静かな環境で暮らしたいという人に向いています。

デメリット

車が停められない

路地状部分の幅が狭いと、自家用車が停められないというデメリットがあります。

ただ最近の車離れで自家用車を持たない世帯も増えていますから、そのような人たちにとっては気にならないでしょう。

日当たりが悪い

奥まっているぶん、日当たりが悪く通風も良くないというデメリットがあります。

カビやシロアリ被害などの対策が必要になりますね。

リフォームや建て替え時に費用がかかる

間口が狭いと解体工事や新築工事のときに、工事車両や重機が入れません

したがって人力作業が増える分、工事費用が高くなり工事期間が伸びてしまいます。

既存住宅のリフォームや建て替えをしたいときは、制約が多いですね。

防犯対策が必要

奥まっている住宅は、空き巣被害が多い傾向にあります。

外から見えない分、犯罪者にとっては都合が良いのですね。

適切な防犯対策は欠かせません。

旗竿地は売れないと言われる理由

不動産会社へ旗竿地を売却しようとすると、「旗竿地は売れないからねぇ」と言われた経験はありませんか?

たしかに普通の土地に比べて旗竿地は売れにくいと言われています。

なぜなのでしょうか?

前述のデメリットが買い手に敬遠されているという面もありますが、私が思うに不動産会社が旗竿地を扱いたくないからというのが大きな理由になっているように感じます。

旗竿地の売買は、仲介する不動産会社としても手間がかかるものなのですね。

隣地所有者との折衝境界確認など、普通の土地に比べて調整が多いのが旗竿地。

ノウハウを熟知した不動産会社でないと、なかなか売却まで至りません。

逆に言えば、旗竿地の経験が豊富な担当者がいれば、かなり期待できるともいえますね。

旗竿地の売却こそ、不動産会社選びが重要になってくるのですよ。

売る前の準備|境界の確認は欠かせない

旗竿地を売る前の準備として、必ず境界確認はやっておきたいですね。

普通の土地でも境界確認は重要ですが、旗竿地は特に必須になります。

まず法務局へ行って、

  • 土地・建物の登記事項証明書(登記簿謄本)
  • 公図
  • (あれば)地積測量図

を取りましょう。

登記事項証明書は、土地や建物の戸籍とも呼べるもので、所在や面積を証明するのに必要な書類です。

公図はカンタンな地図のようなものですが、土地がどのような形状・位置になるのかを示してくれます。

また過去にその土地を測量しているのなら、地積測量図があるかもしれません。

地積測量図は測量士が正確に測量した結果を図面にしたものなので、もしあれば説得力が強いですね。

これらの資料をもとに、隣地との境界線に境界杭・境界鋲などがあるか確認しましょう。

境界杭&境界鋲の画像

比較的新しい宅地であれば、しっかり境界を示すものがあるはずです。

しかし古くからある宅地や地方部だと、境界を示すものが腐朽して無くなっていたり、もともと存在しないというケースも多いです。

そのような場合は隣地所有者立ち会いのもと、境界確認して書類を取り交わします。

境界確認の立ち会いについては、仲介する不動産会社や土地家屋調査士さんなどに協力してもらい進めていきましょう。

もし隣地所有者が複数名だったり、不明だったりすると、この境界確認は大変な作業になります。

しかしこの境界確認をしておくことで、買主に対しての法的な説得力が増します。

旗竿地を高く売りたいのなら、境界確認は必須ですね。

旗竿地を高く売るためのコツとは?

相続した旗竿地を売却したいとき、まずどこから手を付ければ良いのでしょうか?

買い手に敬遠されがちな旗竿地をなるべく高く売るには、ちょっとしたコツがあります。

順番にまとめてみました。

まずは前面宅地の所有者に相談してみる

旗竿地の買主としてまず最初に候補に上がるのは、前面宅地の所有者です。

旗竿地の前面宅地

前面宅地の所有者にとっては、隣接した旗竿地を買うことで一体利用ができますからメリットが多いのですね。

したがってまずは前面宅地の所有者に相談するというのが、旗竿地売却の鉄則です。

自分だけでは心もとないでしょうから、仲介業者を伴って交渉するのが良いでしょう。

中古戸建てとして売る

前述の通り旗竿地は解体工事の費用が高くなります。

既存の中古戸建て住宅がある場合は、そのまま土地・建物を一体で売却するほうが良いでしょう。

建物の状態が良ければ、土地だけよりも高い金額で売れることもあります。

買主として見れば、更地で購入すると新たに建物を建てるときにいろいろな制約がるからですね。

更地にするときは解体費用を売却価格に上乗せする

旗竿地を更地にして売却するのは、あまりオススメできません。

前述の通り解体費用が高額になるからですね。

ただし買主の希望などで更地化が条件になっているのなら、仕方ありません。

その場合は売却価格に、解体費用分を上乗せするようにしましょう。

いずれにしても、旗竿地を売却するためには通常より工夫が必要になってきます。
経験豊富な不動産会社に任せたほうがいいですね。

地元で経験豊富な不動産会社といっても、いまいちピンとこないかもしれません。
そんなときはイエウールのような、不動産一括査定サイトを利用してみましょう。
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旗竿地を土地活用する

相続した旗竿地を売らないで、土地活用することはできるのでしょうか?

考えてみましょう。

アパートは間口が狭いと建築不可の地域も

土地活用というと、アパートや賃貸マンションを建てて運用するというのが定番ですね。

ただ旗竿地は、アパマン経営が不可能なことが多いです。

間口が狭いため、建築制限があるケースがあるからです。

建築基準法によれば、間口距離が2m以上あれば建物が建築できます。

しかし自治体による条例で、より厳しい制限がされている地域もあるのです。

東京都を例に挙げて見てみましょう。

東京都建築安全条例というもので、都内の特殊建築物にはより厳しい条件が付されています。

アパートやマンションも特殊建築物の一種なので、この条件を満たさないと建築できないのですね。

第十条の三 特殊建築物の敷地は、その用途に供する部分の床面積の合計に応じて、次の表に掲げる長さ以上道路(前条の規定の適用を受ける特殊建築物の敷地にあつては、同条の規定により接しなければならない道路)に接しなければならない。

引用元:東京都建築安全条例

具体的に必要な間口距離を表にまとめてみました

床面積の合計 必要な間口距離
500㎡以下 4m
500㎡超1,000㎡以下 6m
1,000㎡超2,000㎡以下 8m
2,000㎡超 10m

このように間口が2mあるから安心ということではないのです。

 

例外もあり

例外として、以下のようなアパートは間口が2mあればOKとされています。

  • 階数:3階以下
  • 延べ面積:200㎡以下
  • 住戸の数:12戸以下
  • 路地状部分の長さ:20m以下

中古戸建てを民泊として活用する

最近新たな土地活用として、民泊が注目されていますね。

既存の戸建て住宅をそのまま活用する方法として、民泊施設に転用するというアイデアもあります。

ただ民泊施設も法律上は簡易宿所という特殊建築物になるので、いろいろな制限があります。

法律上の制限があるおかげで、かつては既存の住宅を民泊施設に転用するのはハードルが高かったのです。

しかし2018年9月に建築基準法の改正があり、既存住宅の転用がやりやすくなりました。

建築:建築基準法の一部を改正する法律(平成30年法律第67号)について - 国土交通省

まず耐火建築物についての緩和。

以前は簡易宿所にするためには、既存の木造住宅を耐火建築物にリニューアルするという義務がありました。

しかし改正により、

  • 階数:3階以下
  • 延べ面積:200㎡未満

以上の条件を満たす木造住宅に関しては、そのままでもOKになったのです。

また建築確認についての緩和。

既存の住宅を簡易宿所に用途変更する場合、自治体へ建築確認申請をしなければいけません。

この建築確認により、建築基準法や条件などに適合しているかどうかをチェックするのですね。

建築確認をとるための時間や費用がネックになっていたのです。

しかし今回の改正で、床面積200㎡以下の特殊建築物については建築確認を省略できるようになったのです。

一般的な戸建て住宅のほとんどは建築確認を省略できることとなり、民泊施設として活用しやすくなったと言えるでしょう。

あえて旗竿地に分筆することで相続税を節税する

ここまで旗竿地をどう活用するか?ということを見てきましたが、長方形の土地をあえて分筆して旗竿地にすることで、相続税が節税できるというテクニックもあります。

分筆前の広大な宅地

地方の住宅地だと面積が広いので、上図のように土地の一部を畑などに使っているケースが多いですね。

このまま相続が発生すると、一体の宅地として評価されて相続税が発生します。

小規模宅地等の特例を使っても、面積の広い土地だと限界がありますね。

そこで以下のように分筆することを考えてみましょう。

分筆して旗竿地にする

自宅のある土地は旗竿地となった結果、評価額が大幅に下がります。

残った畑も地目変更で畑にしておくことで、評価額を抑えることができますね。

生産緑地地区にできるのなら、納税猶予制度が使える可能性もあります。

もし相続税申告後に売却したいのなら、2つの土地を一体で宅地として売却すれば良いわけです。

このようにあえて旗竿地を作ることで相続対策になる、という事例も覚えておいてください。

まとめ~旗竿地は相続税を下げるチャンス

計算例で見ていただいたように、旗竿地は相続税評価額を大幅に下げる要素になります。

評価額を下げれば相続税の負担も軽くなりますから、きちんと申告しておきたいですね。

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